他の従業員のミスで労働災害に遭った場合、損害賠償はどうなる?【弁護士が解説】
A.このような場合、基本的に会社に損害賠償請求をすることができます。
他の従業員のミス(過失)による労働災害が発生し、それにより、あなたが怪我を負ったということですから、この場合、他の従業員は不法行為(民法709条)に基づき、あなたに発生した損害を賠償する責任を負います。
また、他の従業員を雇用している会社は、使用者責任(民法715条)に基づき、他の従業員と同様に、あなたに発生した損害を賠償する責任を負います。
この場合、加害者個人の責任と会社の責任は両立し(連帯責任といいます)、ほとんどの場合、会社が損害賠償金を支払うことになります。
さらに、上記の責任とは別に、会社に安全配慮義務違反があれば、債務不履行を理由とする損害賠償請求ができます。
まずは労災保険の申請を
なお、他の従業員や会社に損害賠償請求ができる場合も、まずは、労災保険の申請を行うことをお勧めします。
労災保険は賠償責任を負う他者がいてもいなくても、また被害に遭われた方に落ち度があってもなくても、関係なく保険給付を受けることができるからです。
ただし、労災保険からの給付には慰謝料はなく、休業補償給付も100%分ではありません。
また、本来なら、将来働いて得ることができたであろう利益(逸失利益)の補償も十分ではないなど、補償としては不十分であることが多いのです。
そのため、労災保険の申請だけでなく、十分な補償を受けるために、他の従業員や会社に対する損害賠償請求を検討することになります。
このような場合、労災申請の手続きに加えて、損害賠償請求に向けた準備が必要になるなど、手続きが複雑になることが考えられますので、まずは弁護士にご相談いただき、どのような請求が可能かをご検討ください。
労働災害に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談ください。
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