自分にも過失があるが労災保険申請や会社への損害賠償請求はできる？【弁護士が解説】

A.自分に過失があっても、労災保険給付は受けられます。

労災保険においては、被害に遭われた方が故意に（わざと）負傷、疾病、障害、死亡またはその直接の原因となった事故を生じさせた時には、労災保険の給付は行わないとされています。

しかし、労働災害の発生原因について、被害者自身に過失（落度、ミス）があっても、それをもって労災保険の給付請求が制限されることにはなりません。

過失があっても、会社に損害賠償請求できる可能性も十分にあります

同様に、会社に対する損害賠償請求についても、被害者に過失がある場合でも請求は可能です。

被害者に過失があっても、労働災害が会社の安全管理体制の不備に起因していたり、他の従業員の行為が原因となって発生したという場合には、会社に損害賠償責任が認められます。

しかし、被害者の過失は「過失相殺」として考慮されることになります。 

そして、どの程度「過失相殺」がされるかについては、具体的な事故状況や、被害者、会社それぞれに認められる注意義務の内容や注意義務違反の程度などを総合的に考慮し、また、過去の裁判例なども参考に判断されることになります。

過失割合が１０％違うと、それだけ受け取ることのできる金額は変わってきますので、過失割合が出来るだけ小さくなるように有利な事情を収集・整理して、的確に主張していくことが非常に大切です。

このような場合、手続きが複雑になることが考えられますので、まずは弁護士にご相談いただき、どのような請求が可能かをご検討ください。

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