ここでは、労働災害により被害者の方が亡くなった場合の慰謝料(死亡慰謝料)についてご説明します。
死亡慰謝料とは
労働災害により労働者が死亡した場合に支払われる慰謝料です。
一般的な基準は、裁判所における判決で認められる金額を参考に、おおむね次のような基準となっています。
・被害者が一家の支柱の場合・・・2,800万円
・被害者が母親、配偶者の場合・・・2,500万円
・被害者がその他の場合・・・2,000万円~2,500万円
上記のように、死亡慰謝料は、亡くなられた方がその家庭でどのような立場にあったかによって金額差が出ます。
近親者固有の慰謝料
また、死亡事故の場合は、近親者も被害に遭われた方を亡くしたことによって精神的苦痛を被られていることと思われます。
そのため、近親者固有の慰謝料が認められる場合もあります。
労災保険からの受け取った給付金は死亡慰謝料から差し引かれるのか
結論から言いますと、慰謝料からは差し引かれません。
労働災害により被害に遭われた方が死亡した場合、生計維持関係にあった遺族には、労災保険から、
①遺族(補償)等年金
②遺族特別年金(または一時金)
③遺族特別支給金(定額300万円)
が給付されます。
また、生計維持関係のあった遺族がいない場合は、
①遺族(補償)等一時金
②遺族特別一時金
③遺族特別支給金(定額300万円)
が給付されます。
これらの労災保険からの給付金について、会社に請求できる死亡慰謝料から差し引かれることはありません。
ただし①の遺族(補償)等年金・一時金に限り、死亡による逸失利益からは差し引かれます。
損害賠償請求ができる場合
労働災害が発生した後、まずは労災申請をして労災保険から給付を受けます。
しかし、労災保険からは下記の損害については支給されません。
それらを受け取るには、加害行為者や会社に対して、損害賠償請求をすることになります(加害行為者や会社に責任がある場合に限られます)。
【労災保険では支給されない損害項目】
①慰謝料(入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料)
②後遺障害や死亡によって喪失した、将来得られたであろう稼働利益(逸失利益)の一部
③休業損害の一部(労災からの休業補償給付は平均賃金の6割。特別支給金を含めても8割)
死亡慰謝料は、労災保険から支給されませんので、加害者や会社に対する損害賠償請求を検討する必要があります。
早めの相談・依頼で安心を
一個人である被害者の方が、ひとりで会社や加害者とやりとりをするのは困難を極めます。
また、事故態様に関する資料の収集も容易ではありませんし、損害の資料として、何が必要か判断に迷うことも多いと思います。
ほとんどの方が労働災害に遭うこと自体初めての経験ですから、ご自身ではよく分からないことが多く、どのように交渉を進めればよいか悩ましく、治療や日常生活と並行して進めていくには、非常にストレスを感じることと思います。
さらに、会社は、会社側には何ら責任はないと主張したり、仮に会社の責任を認めても労働者側にも大きな過失があったとして、「過失相殺」による大幅減額を主張してくる場合が少なくありません。
そのような時にも、弁護士はあなたの味方となり、適切な主張を行います。
弁護士にご依頼いただくことで、会社側に責任があるのかどうかをより正確に判断し、会社側と対等に交渉することが可能です。
また、「弁護士に依頼するかについては未定」という方も、お早めにご相談いただくことで、弁護士は具体的な事情を踏まえたアドバイスができますので、ご不安の解消や、今後の方針を立てるお役に立つことでしょう。
労働災害に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談ください。
ご相談は、電話でもメールでもLINEでも可能で、初回無料です。
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