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労働災害~ひかれた・激突事故【弁護士が解説】
平田晃之
平田総合法律事務所のホームページをご覧いただきありがとうございます。当事務所は交通事故、労働災害、相続、離婚、不動産など身近な法律問題を中心に取り扱っています。取り扱う分野を絞りながら、一つ一つの分野について深く掘り下げ、高い専門性を追求しています。 お悩み事がございましたら、お気軽にご相談いただければと存じます。これまでの経験や知識を踏まえて誠実に対応させていただきます。

様々な業種や現場において、重機や車両にひかれる事故、人と機械・物とが激突する事故が発生しています。

 例えば、作業中のトラックやダンプ、フォークリフトに労働者がひかれる、重機が倒れて労働者が下敷きになる、クレーンの吊り荷や伐採木が労働者に激突するなどです。 

重量のある機械や荷物などが人体に直接衝突する事故であるため、怪我の程度も深刻なものとなることが多く、重度の後遺障害が残ったり、お亡くなりになったりするケースも少なからずあります。

労災申請だけでなく、損害賠償請求ができる場合

労災保険給付では、療養給付(治療に必要な費用)の他、休業給付、障害給付や遺族への給付がされます。
しかし、労災保険による休業給付は全額ではなく6割(特別支給金を含めても8割)の補償しかされません。また重機や車両にひかれたり、機械と激突する事故では手術や入院を伴うような重症のケースが多いですが、長期間の通院や入院をしたことについての慰謝料は労災保険からは給付されないなど、補償されるのは被害の一部にとどまることが多いです。

労災保険給付では不足する損害の補償をしてもらうためには、会社等に対して損害賠償請求を検討する必要があります。

(1)まず、会社、元請けに対する損害賠償が可能なケースがあります。

ひかれた・激突事故の場合は、被害者の方だけの責任で発生するということは通常考えにくく、実際の労働現場の状況をみると勤務先会社・元請けに対して「安全配慮義務違反(労働者の生命、健康などを危険から保護するよう配慮すべき会社の義務)」などを問える場合が多く、その場合は、労災保険給付だけでなく、さらに多額の損害賠償請求が認められるケースもあります。

(2)また、他の従業員に対して、損害賠償請求ができる場合もあります。

例えば、同じ現場で作業をしていた同僚がトラックやフォークリフトの運転ミスをした、クレーンの操作ミスをした、というように他の従業員の過失により事故が発生する場合も多くあります。

このような場合は、もちろん、運転ミス、操作ミスをした従業員本人に損害賠償責任があります(不法行為責任、民法709条)。

さらに、従業員が業務の執行につき行った不法行為による責任は、その従業員のみならず、雇用主である会社も負います。
これを「使用者責任」(民法715条)と言い、会社に対して損害賠償を行うことも可能です。

この場合、ミスをした従業員個人の責任と会社の責任は両立し、ほとんどの場合、会社が賠償金を支払うことになります。

これらのことを知らずに、労災保険からの多くの金銭的補償をしてもらったことで、会社等への賠償請求の検討を忘れてしまうことがあります。

また、被害者の方やご遺族の方が大変な状況に陥り、会社等への賠償請求まで手が回らないこともあるかと思われます。

いずれにしても、事故に遭われた後、早い段階で弁護士にご相談いただければ、その後の道筋をご説明し、お力になれます。

会社・元請けに対して安全配慮義務違反を追及するために

労働災害においては、様々な角度から「事故を起こさないための危険防止措置が事前に取られていたか、労働者の安全と健康を確保するための職場となるように十分に措置が講じられていたか」という検証が行われます。

「ひかれた・激突事故」が発生した場合、例えば下記のような点で、会社の安全配慮義務違反の有無を検証することになります。

・立入禁止区域の設定、安全のために必要な指示の徹底など安全対策は不足なくなされていたか

・運転・操作の免許・資格を持っていない者に運転・操作をさせていなかったか

・機械を操作する者、周囲で従事する者への十分な安全教育がなされていたか

・安全確保のための監視員の配置などは十分になされていたか

しかしながら、一個人である被害者の方が、ご自身だけで会社とやりとりをするのは困難を極めます。

また、事故に遭われて大変な状況の中、事故態様に関する資料の収集、損害内容に関する資料の収集も容易ではありません。

ほとんどの方が労働災害に遭うこと自体初めての経験ですから、ご自身ではよく分からないことが多く、どのように交渉を進めればよいか悩ましく、お忙しい中で非常にストレスを感じられることと思います。

また、会社は「安全配慮義務違反がない」と主張したり、仮に会社の責任を認めても、「労働者(=あなた)にも過失があるのだから、過失相殺されるべきだ」として、大幅減額を主張してくる場合が少なくありません。

特に過失相殺については、被害者側に通常必要とされる注意を欠いていた場合、被害者側にも責任があるとして、請求額の一定割合に限ってのみ認められることになります。

その分、会社側の負担額が減ることになりますので、むしろ、会社側が全面的に責任を認めることは少ないのではないでしょうか。

そのような時にも、弁護士はあなたの味方となり、適切な主張を行います。

弁護士は賠償問題についても常に携わっており、複雑・煩雑なやりとり、具体的な証拠の収集、事実認定を経た上での法的主張は日常的に行う業務です。
ご依頼いただくことでこれらに適切なアドバイスをすることができ、ご自身だけで悩みながら進められるよりも、有利に迅速に進めることができます。

「ひかれた・激突事故」に遭われた方やご遺族の方は、ぜひ一度ご相談ください。

早めの相談・依頼で安心を

労働災害の補償やその手続きは複雑で、一般の方が理解しづらいとお感じになる部分も少なくありません。

また、インターネットなどで情報は得られたとしても、事故に遭われて、仕事も生活も大変な状況の中で、ご自身で会社との交渉を一つ一つ進めていくことは大変なストレスとなりますし、どんな責任をどの程度追及できるどうか、会社側からの提案が適切なのかどうかなどの判断は容易ではありません。

弁護士にご依頼いただくことで、過去の裁判例や文献を調査し、これまでの経験を踏まえて、会社側に責任があるのかどうかをより正確に判断し、会社側と対等に交渉することが可能です。

また、「弁護士に依頼するかについては未定」という方も、お早めにご相談いただくことで、弁護士はその方の具体的な事情を踏まえたアドバイスができますので、ご不安の解消や、今後の方針を立てるお役に立つことでしょう。

労働災害に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談ください。

ご相談は、電話でもメールでもLINEでも可能で、いずれも無料です。ご相談はこちらです。