代表弁護士 平田晃之
労災事故に遭われた方にとっては、これまで当たり前だった日常生活が大きく崩れることで、また、ご遺族の方にとっては仕事が原因で大切な方を亡くされたことで、大変な心労を抱えておられることと存じます。
労災事故の特徴の一つは、交通事故等とは異なり、相手方が全くの他人ではなく、事故当日まで生活の大部分を占めていた会社だということです。
会社に対して、これまでお世話になってきたという気持ちの方もいらっしゃることと存じます。
また、会社に損害賠償請求をしたら、今後の生活はどうなるのだろうと不安になられている方もいらっしゃるかと存じます。
この点が、労災事故において労災請求、損害賠償請求をすることに二の足を踏む原因の一つと感じています。
しかし、私どもは、そのお気持ちを受け止めた上で、やはり労災申請を勧めますし、会社に対して適切な損害賠償請求を求めるべきだと思っています。
それは単に「被害者の方の権利だから」というだけではありません。
会社側の視点に立てば、賠償を含めて、発生してしまった労災事故にきっちりと対応することが、会社の今後の発展につながっていくのだと思います。
また、今回、労災事故に遭われた方が、会社のことを想って、労災申請や損害賠償請求を思いとどまったとしても、会社は同じような労災事故を起こさないための対策を取らないかもしれませんし、次に同僚の方が労災事故に遭った場合に労災申請などを控えざるをえない事態に陥るかもしれません。
依頼者の方と共に、より充実した金銭的な補償を実現することが1つの目的地でありますが、私どもにご相談いただく際には是非、今回の事故についてのお気持ちをお聞かせください。
もし会社への強い想いをお持ちでしたら、出来るだけ会社に伝え、金銭面だけではない、より良い解決ができるよう尽力したいと考えています。